院長挨拶
Greeting from director
初めまして。平林移動集団検診所の上嶋です。
これまでの医療は『病気をいかに治すか』に主眼が置かれてきましたが、昨今、再生医学の隆盛が著しくなるにつれて、その流れも大きく変わろうとしています。
再生医学分野においては、IPS細胞の発見によって、様々なものが再生可能となろうとしています。
わずかな人しか受けられないような移植手術によってしか救われなかったような限られた数の命も、この技術が確立によって飛躍的に増加することが予想されます。
また外科手術によって摘出、切除された臓器を補うように利用されます。これまでの『いかに治すか』の選択肢が非常に拡がります。
当施設が主として行っている医療はこれとは少々異なります。『いかに治すか』ではなく、『いかに病気にならないようにするか』、『いかに早く発見するか』という予防医学という分野です。
予防には一次予防、二次予防、三次予防があります。一般に、早期発見を目指し、胸部レントゲン、採血、心電図等の健診は二次予防に当たります。
三次予防は治療過程におけるリハビリ等がこれに当たります。一般的に『予防』という単語を聞くと、健診等の二次予防がすぐに頭に浮かぶと思います。
では一次予防とは何かという疑問が生まれると思います。一次予防というのは病気になる前段階の状態を見つけ、薬物治療等ではなく、食生活などの生活スタイルを見直すことで『いかに病気にならないようにするか』を目指すものです。
具体的に挙げると、メタボリックシンドロームです。メタボリックシンドロームは病気ではありません。
ただその状態にある人は心血管系イベント(心筋梗塞、脳梗塞等)の確率が飛躍的に上昇することが示されています。
メタボリックシンドロームを改善するために『腹囲を減少させる=内蔵脂肪を減らす』ことによって脂質の改善、血圧低下などを目的としています。
そのことこそが『病気にならないようにする』ということです。
その他にはストレスチェックです。昨今、メンタルヘルス問題によって、企業は頭を悩ませています。その予防策の一つがストレスチェックです。メンタルの不調をきたす前に、予兆がある人を拾い上げるというものです。
いずれも一次予防です。当施設においては、二次予防である健診業務とともに、一次予防にも積極的に取り組み、受診者様の身体、精神の健康を維持できるように寄与していく次第です。